フェンスに揺れるスカート

深森花苑のブログです。

@カップ麺の空き容器でできたほったて小屋 丸い大鏡の前に椅子。その後ろに白い毛むくじゃらの生き物。美容院のようである。 コンコン、と空き缶でできたドアチャイムが鳴る。 スーツの男が小屋に入ってくる。男は周りを珍しそうに見渡す。 赤いき○ね、緑の…

@会社の会議室 部長「今日の会議は進捗報告省略して、本題から入ります。……その前にちょっと聞いておきたいんだけど、今週末の三連休、どうしても外せない用事があるっていう人」 会議室のなかの数人、恐る恐る手を挙げる。 部長「うん、まぁこんなもんか。…

@台所 作業場にはさまざまな首をした調味料が並ぶ。なかでも、間抜けな猫の姿を模した形の大きな瓶が異彩を放っている。 魔法使いの女、魔術書の呪文「ふにゃんぱ」を唱え、鍋のなかのものを変化させようとしている。しかし、鍋はうんともすんとも言わない…

@台所 エプロンをつけた男「……うまくいくんですか」 けむくじゃらな生き物「……」 けむくじゃらな生き物は鍋をかき回している。 鍋からは怪しげな煙と香りが漂う。男は鍋を覗き、顔をしかめる。 エプロンをつけた男「あんなにたくさん入れる必要があったんで…

@高台 白い羽の天使(白い燕尾服、白いシャツ)と黒い羽の天使(黒い燕尾服、白いシャツ)が高台の上で対峙している。 白い羽の天使「そんなに翼を黒くして。早くこっちへいらっしゃい。飛び方なら教えてさしあげますから」 黒い羽の天使「それがうまくいか…

@ロボット工場 ロボットの工場長「それでは、定期メンテナンス手順に従いまして、これより工場内を案内して参ります」 幽霊「……ロボットには俺が見えるのか」 ロボットの工場長「今回のメンテナンスは167年ぶりとなりますので、チェック項目は以下となります…

@アリーナ級の屋外ライブ会場 にぎやかな曲の前奏。 歌手が客席に手を振りながら舞台中央へ入場。 歌手がマイクを手にすると、カメラが水平に180°回転し、歌手の背後を映す。 そこから、上方へとカメラ移動。空には煮え立った琥珀のような色をした月と、の…

@学校の教室 教師M「……そこで、32ページの3行目を見る。風景の描写があるな。これなんだっけ? 心象風景っていうんだったな! ここに主人公の心情が綴られている」 主人公モノローグ『M上の授業は給食の最後まで残ったコールスローみたいだ』 教師M「黒い雲…

「アバラスド旅行記」のプロットの変遷を振り返る

「アバラスド旅行記」は私が小説家をめざす普通の女の子でいた最後期の作品。たしか、初稿を書き上げたのは24才ぐらいの頃だったと思う。 それから10年以上の時を経て、プロットは右に左に変遷してきた。その経緯とともに、いまはどこをめざす作品になってい…

東京ゲームショー2018レポート(海外ゲーム)

企業からインディーズ、学校などゲームにまつわるあらゆるものが集まる東京ゲームショー。そのなかで、なにを見るかも迷うところですが「この機会じゃないと会うのが難しいだろう」と、海外ゲームのブースを中心に巡ってきました。 ■luna(hall 10 W31 FUNOM…

アニメ『プラネット・ウィズ』10話時点での今後の展開予想のようなもの。

このエントリーは、コメントから読むのが一番いいと思います。 なにが起きたかというと、10話が最終話だと勘違いして「ハッピーエンドっぽく終わってるけど、そうじゃないんじゃないか」という考察書いちゃったんですね。 すっとこどっこいにも程があります…

藤子ファンでなくてもはまる!『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』を機械好きに勧めたい

先日、地上波で放送されていて、その録画をなんとな~く見ていた『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』。しかし、気がついたら前のめりになり、テレビにかじりつき、最後まで見てしまいました。この作品は、子供やドラえもん好きだけでなく、いろんな人に…

Web版『アバラスド旅行記』始めました。

お久しぶりです。深森花苑です。 新作の小説のお知らせです。 ■Web版『アバラスド旅行記』 少女が忍び込んだ古い家でみつけた一冊の旅行記。 そこに記されていたのは、少女がまだ見たことのない世界で当たり前のように繰り返されてきた「不思議な」いとなみ…

北海道と東京ではカルピスの「普通」の作り方が違った話

子どもの頃、一番うれしかったお中元が「濃縮カルピス」だった。 カルピスを飲むときにはきまって特別なグラスが出された。苺がプリントされていたり海の風景が広がっていたり、柄はそのときどきで違ったけれど、食器棚の奥から必ずぴかぴかのグラスを引っ張…

持続可能な郷土芸能をめざして~王子田楽ドキュメンタリー~

本題に入る前に、私の立ち位置を明確にしておこうと思います。 私が民俗学に興味を持ち始めたのはちょうど5年半ぐらい前。東日本大震災よりは前だったと思います。地方で消えかけている伝統文化におもしろいものが多いことに気づき、もっと多くの人にこれを…

『海よりもまだ深く』はワナビと家族を巡る物語なのか

是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』を観てきました。とても味わい深い作品だったので、自分の考えをこちらにも記録しておこうと思います。 キャッチコピーは「夢見た未来とちがう今を生きる、元家族(元家族に傍点)の物語」 予告編を見た時と印象の違う映…

今後の活動場所と4月1日からの新企画について

Twitterでは少し前にお伝えしたことなのですが、 今後の活動場所を当面の間、 1)ネットでの無料コンテンツ配信 2)店舗での同人誌委託販売 に絞ろうと考えています。 でも2)は1)のアクセスの伸び次第だな、と思っているので、 当面は1)のみになるか…

海原純子さんの「人生相談」の回答にみる後悔の本質

読売新聞「人生相談」での海原純子さんの回答 もともとの記事は2010年4月16日の読売新聞に掲載された「人生相談」だったそうです。(ソースわからなかったので図書館行って調べました。)結構前の記事だったのですね。 Twitterでまわってきた、ペットにまつ…

日本とアントニン・レーモンド(その1)

初めに謝罪しておくと、読みたかった書籍がなかなか手に入らなくて、自分が知りたかったところまでアントニン・レーモンドについてdigれていないレポートになってしまいました。 書籍が手に入りしだい、その点についても考察を深めたいと思います。 今回は「…

見慣れたものを見慣れないものにすること

雑誌はおしゃれであればいい、というものでもない。ときには不動産の広告やお得意さんからもらった風景のカレンダーなんかが役に立つ。コツは既成概念を捨てて、対象を見つめることだ。 本当に良い素材を手に入れるためには、どこが気に入って、どこが気に入…

関口芭蕉庵で都会の静寂を知る

新江戸川公園内にある「松聲閣(しょうせいかく)」の改修が終わったそうで、永青文庫のあるあの辺りが注目を浴びる10年に1回ぐらいのチャンス!ということで、そのすぐ向かいにある関口芭蕉庵のことを書いてみます。松聲閣のこと書けよ。そうだね。でも関口…

配達人のいない世界

物を送り届けるために人を遣るようになったのは、いつ頃からなのだろう。 贈り物の歴史は案外古く、農耕が根付き始めた頃にはその原型が既に存在していた。神様へのお供えというかたちで土地の統治者に農作物を納め、神様からのお下がりとしてその農作物を土…

「負け犬」根性を育てる優しさなんて捨てちまえ

人は誰しも多かれ少なかれ弱点を持っている生き物だ。その弱点を補うために、ちょっと自分とは違うタイプの人と交友関係を持って、虎の威を借る狐というわけじゃないけれど自分にはない力を発揮したりする。私にとってその「虎」にあたる人はよく通う整体院…

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。 さる年なので、さるをたくさん集めてみました。 本年もよろしくお願いいたします。

「2020年東京オリンピック・パラリンピック 未来へのレガシーにするための7つの提言」レポート

2015年11月14日に日本建築学会 建築会館ホールで行われた「2020年東京オリンピック・パラリンピック 未来へのレガシーにするための7つの提言」に行ってきました。シンポジウムでは、ヒルサイドテラス、東京体育館などを手がけ、新・国立競技場案に異議を唱え…

スパイスココアとロフトのUST

「寂しい」が肥大化してくると、心の眼を覆う巨大な被膜になる。なにも心に映らない気がして、そわそわ落ち着かなくなってくる。 手が動かない。 不安だ。 寂しい。 不安だ。 寂しい。 不安だ。(以下、終了条件まで繰り返し。) あまり健康的でないかんじだ…

黒そいのムニエルとなすのグリル

さみしい日の夜は思考がループする。食べなければ、と思っても料理の工程を模索するだけでエベレストに登るほど果てしない行程のように思えてくる。 悪さをしてるやつの正体はだいたい知れている。空腹は脳内で暴れ回る不快な一味の下っ端だ。あいつをまず倒…

なだらか

時間はあらゆるものを淘汰していく。この世に存在する事象は全てなだらかになっていくしかない。誰もその力に抗うことはできない。昨日の夕御飯は思い出せても、一月前の朝御飯は思い出せない。それと同じこと。しかし、人は抗おうとする。 小さな波を起こし…

せせらぎを聞きながら

川沿いの腰掛けで時を過ごす人がいる。 コンビニの袋を持った会社員、ノートパソコンを操るジャンクフードが好きそうな男、煙草を吸う髪の明るい女、iPhoneからイヤフォンへ伝う音楽に耳を傾けるジャージ姿のティーンエイジャー。 そういう人がいれかわりた…

近道を探す

スーパーマーケットに行くまでの最短経路がわからない。川のせいだ。うねうねとカーブを描く舗装路が方向感覚を麻痺させる。付き合わされるのはごめんだ。私は川の裏のまっすぐな道を歩いていた。毎日、毎日。たった二回、曲がり角を曲がるだけ。強欲な人間…