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@会社の会議室
部長「今日の会議は進捗報告省略して、本題から入ります。……その前にちょっと聞いておきたいんだけど、今週末の三連休、どうしても外せない用事があるっていう人」
会議室のなかの数人、恐る恐る手を挙げる。
部長「うん、まぁこんなもんか。……あぁ、もう下げていいよ。単刀直入に言うとね、お客さんの要望で、この前ユニットまでいったやつ、大きな仕様変更が入ることになりました。しかし、ケツは11月末で変わらないとのことです。そこで、みんなには申し訳ないんだが、今度の三連休でその改修に取りかかってもらいたい。ただし、さっき手を挙げてくれた人は無理する必要はありません」
城崎、挙手する。
城崎「そもそも、どんな仕様変更なのか聞いてもいいですか?」
リーダー「今まで共通系で回していたものをもっと状況別に個別に動くように対応してほしいって要望。いま言うな、だよね。俺も思うよ」
(女性社員2人が小さな悲鳴をあげ、なにかを喋り始める)
城崎「……ほぼ一から作り直しじゃないですか」
部長「だから、三連休の予定聞いただろ?」
女性社員A「でも、この前も週末出たじゃないですか。あれの代休もまだ取ってないんですけど……」
部長「すまないねぇ」
女性社員A「あの、私はいいんですけど、もう身体限界来てる子もいると思うんですよ。その辺り会社はどう考えてるんですか? もう詰められるとこないですよ」
城崎「(会議の流れとは別に個人的に小声で話しかける)松井さん、この前のリカバリって終わったの?」
松井「いやまだ……やっと該当箇所洗い出せたぐらいですよ」
城崎「後で見せて」
松井「え? あ、はい」
城崎、再び挙手。部長、めんどくさそうに発言を促す。
城崎「そもそもこのプロジェクト、人も予算も足りてないです。クライアントがあんな人だってわかった今、もっと人員なり金なり投入したほうがいいのでは」
部長「それができたらねぇ……」