フェンスに揺れるスカート

深森花苑のブログです。

批判が怖いならペルソナを作ろう

世の中に自分の作品を発信はしたいけど、人から批判されるのが怖くてなかなか一歩を踏み出せない……。

割とよく聞くこういう話、実は自分は今まで感じたことがありません。

「メンタル強いんだね」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。人からなんか言われるのめちゃめちゃ気にしますし、ビビりです。

それなのに、なんでこういうことができるのか自分なりに分析してみた話が今回の話です。

 

私が自創作における人からの批判に強くなった原因を考えると演劇部で役者をやっていた経験が大きかったように思います。少し関係ないところから話しますがお付き合いください。

 

役者には大きく分けて二種類のタイプがいます。

「演技のうまい人」と「芝居のうまい人」です。

 

「演技のうまい人」は「自分=役」になれる人です。ガラスの仮面のマヤとか大竹しのぶさんはこのタイプだと思われます。自分自身がその役になりきって演技する人です。

一方「芝居のうまい人」は「その役っぽく見える動きのうまい人」です。キスシーンなどで多くの役者さんはこういう演技をしているはずです。(これが演技派だといろんな意味で怖い……)自分自身のメンタルはそんなテンションじゃないけど身体の表現としてその動きをしてる人です。

 

「演技」を指導されるのはある程度メンタルの強さが必要です。なぜなら役になりきってる自分の動きは自分自身の動きでもあるからです。

「芝居」を指導される場合はもう少しドライに話を聞くことができます。指導されてるのは自分が身体を操った結果についてであって自分自身ではないからです。

自分が自創作の批判(されるほど読んでもらえてないのが正直なところですが……)を怖く思わないのは「芝居」のスタンスで発表してるからなのだな、と思いました。

 

「そんな器用なことできないよ、作品は私自身なんだよおおおぉぉぉ……!」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方におすすめしたいのが「ペルソナ」の作成です。自創作のスタンスが「演技」だろうが「芝居」だろうが「芝居」スタンスの自分をクッションとして置いておくのです。自創作みたいな作品を作るのはこんな人だろうな~と逆に考えて、その人が作品を発表してるんだ、と考える。批判を受けてもちょっと他人事でいることができます。

 

とはいえ、なにか事が起きたときに対処するのが自分自身であることは変わりないので、最低限の倫理観は持ったうえでやらなければ大変なことになります。また、現実の自分とあまりにかけ離れた存在をペルソナに設定すると「どっちが本当の自分かわからなくなってきた……」という芸能人や配信者によくあるアイデンティティーの迷子にもなり勝ちです。

「一番身近で大切にしたいお友達」ぐらいの感覚で眺めるのが無茶をさせ過ぎず、かつ、応援したくなる存在としてちょうどいいかもしれません。

 

「自分のペルソナに作品を発表してもらう」というスタンスは、デメリットもないわけではないですが、初めの一歩がとにかく怖い!という人にとっては、いい盾になってくれると思います。